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『夜、身体の力をほどく時間 ― 休息に向かう前の余白』

一日が終わったはずなのに、
身体だけが、まだ終わっていないことがあります。

肩に残る力。
浅い呼吸。
表情の硬さ。
奥歯を軽く噛みしめている感覚。

仕事は終えているのに、
身体の中には、まだ一日の余熱が残っている。

眠る前には、
その力が静かにほどけていく時間が必要です。

今回は、休息へ向かう前の余白について見ていきます。

仕事が終わっても、身体はすぐには終われない

仕事を終えたあとも、
身体には、その時間の名残が残っています。

画面を見続けていた目。
力の入った肩。
浅くなった呼吸。
噛みしめていた奥歯。

それらは、仕事中に必要だった
身体の構えです。

集中するために。
判断するために。
急ぐために。

身体は、静かに力を使っています。

ただ、その構えは、
仕事が終わった瞬間に消えるわけではありません。

夜になっても、
身体には、まだ少し力が残っている。

そんな日があります。

眠る前の落ち着かなさは、
頭の中だけのものとは限りません。

身体が、
その日の構えを、まだ解ききれていないことがあります。

眠る前には、身体の力がほどける時間がいる

休むとは、
ただ横になることだけではありません。

一日のあいだに入った力が、
少しずつ抜けていくこと。

張りつめていた身体が、
静かな場所へ戻っていくこと。

その時間も、休息の一部です。

構えが残ったままでは、
身体はすぐに休息へ向かえないことがあります。

肩の力が抜ける。
呼吸が少し深くなる。
表情がやわらぐ。

そうして身体は、
少しずつ休む準備を始めます。

眠る前に必要なのは、
何かを頑張ることではなく、
身体の力がほどけていく時間です。

眠ろうと頑張る前に、一日を終える

眠れない夜ほど、
何かを変えようとしてしまうことがあります。

ただ、眠りは
力でつかみにいくものではありません。

まず必要なのは、
身体に残ったその日の名残を
静かに終えていくこと。

もう急がなくていい。
もう構えなくていい。
もう頑張らなくていい。

身体がそう受け取れる時間が、
休息へ向かう余白になります。

施術の時間も、
その余白のひとつです。

一日の緊張から少し離れ、
身体が静かに休息へ向かっていく。

そのための静かな余白でもあります。

眠るために何かを増やす前に、
まず、今日という一日を終える。

その静かな区切りの先に、
眠りは少しずつ近づいてくるのかもしれません。


出典・参考(抜粋)
Geurts, S. A. E., & Sonnentag, S. (2006) Scandinavian Journal of Work, Environment & Health.
Sonnentag, S., & Fritz, C. (2007) Journal of Occupational Health Psychology.
Shimazu, A., Sonnentag, S., Kubota, K., & Kawakami, N. (2012) Journal of Occupational Health.
Nicassio, P. M., Mendlowitz, D. R., Fussell, J. J., & Petras, L. (1985) Behaviour Research and Therapy.
Okajima, I., et al. (2020) The Tohoku Journal of Experimental Medicine.
Matti, J., et al. (2024) Somnologie.

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