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夜、しっかり疲れているのに、
布団に入るとなぜか眠れない。
気づけば、
スマートフォンに手を伸ばしている。
「わかっているのに、
やめられない」
そんな自分を、
「意志が弱いだけだ」と
責めてしまう方も
多いのではないでしょうか。
ですが、これは気合いや性格の問題ではなく、
光の刺激が引き起こす、ある生理現象です。
今回は、体内時計を司るホルモン
「メラトニン」の話をしていきます。
メラトニンは、
脳の奥にある「松果体」という
小さな器官から分泌されます。
分泌の指令を出しているのは、
「視交叉上核」と呼ばれる
体内時計の中枢です。
視交叉上核は目から入る光の情報を受け取り、
今が昼か夜かを判断しています。
そして、
夜になると松果体に信号を送り、
メラトニンの分泌を促します。
つまりメラトニンは、
明るいと出ず、
暗くなると出るという、
シンプルな仕組みで働いているのです。
この仕組みがあるからこそ、
私たちの体は昼と夜を区別し、
眠るタイミングを整えることができます。
ですが裏を返せば、
夜に強い光を浴びると、
この仕組みが乱れてしまう
ということでもあります。
次の章では、
どのくらいの光でメラトニンが
影響を受けるのかを見ていきます。
では、どのくらいの光を浴びると、
メラトニンは影響を受けるのでしょうか。
72名の健康な男性を対象にした研究では、
就寝前にスマートフォンやパソコンの
画面相当の明るさの光を見てもらい、
メラトニンの量がどう変化するかを
調べました。
その結果、
画面の明るさが強いほど、
メラトニンの量は少なくなり、
分泌が始まる時間も遅くなる
ことが分かりました。
これは単純に
「明るいか暗いか」だけでなく、
光の質によっても
変わることが分かっています。
特に影響が大きいのは、
青白い光(ブルーライト)です。
スマートフォンやパソコンの画面は、
この光を多く含んでいるため、
体内時計への影響を
受けやすい性質があります。
つまり、
同じ「画面を見る」という行為でも、
明るさや光の色によって、
メラトニンへの影響は変わる
ということです。
次の章では、
実際にスマートフォンを使った場合と、
紙の本を読んだ場合とで、
どのような違いが出るのかを見ていきます。

実際に、スマートフォンで読書をした場合と、
紙の本を読んだ場合とでは、
体にどのような違いが出るのでしょうか。
33名の男性を対象にした研究では、
就寝前の90分間、
「フィルターなしのスマホ」
「フィルターありのスマホ」
「紙の本」の3つの条件で
読書をしてもらいました。
その結果、
フィルターなしのスマホでは、
メラトニンの増加が最も抑えられ、
入眠直後の深い眠り(徐波睡眠)も
短くなっていたことが分かりました。
興味深いのは、
ブルーライトカットフィルターを
使った場合でも、
紙の本と比べるとメラトニンの増加は
抑えられていたという点です。
つまり、
フィルターは影響を和らげはしますが、
完全には防ぎきれない
ということです。
一方で、
主観的な眠気の感じ方には、
条件による差は
ほとんど見られませんでした。
体の中では変化が起きていても、
本人はそれに
気づきにくいということです。
これは裏を返せば、
「今日はよく眠れた気がする」
という感覚だけでは、
睡眠の質を判断しきれない
ということでもあります。

ここまで見てきたように、
夜の光はメラトニンに
大きく影響します。
ですが、
「夜のスマホを我慢する」ことだけが、
体内時計を整える方法ではありません。
実は、
朝の光にも大切な役割があります。
視交叉上核は、
朝の光を浴びることで
「今日が始まった」と認識し、
体内時計をリセットします。
そこから逆算する形で、
その日の夜に
メラトニンが分泌されるタイミングも
決まっていきます。
つまり、
朝しっかり光を浴びることで、
夜のメラトニン分泌が
本来のリズムに戻りやすくなる
ということです。
方法は難しくありません。
起きたらカーテンを開け、
数分でも外の光を
浴びるだけで十分です。
ですが、それでも
体内時計が整いにくいという方も
いらっしゃいます。
その場合、背景にあるのは自律神経の緊張や、
身体の慢性的なこわばりです。
生活習慣の改善だけでは届きにくい部分に、
鍼灸という選択肢があります。
RE-SO-LVでは、
鍼と灸、手技を組み合わせ、
その日の身体の反応を見ながら、
体内時計を乱す緊張そのものに
アプローチしていきます。
完全予約制の、
静かな空間で施術を行っています。
焦らず、
一つひとつ体の声を聞きながら、
整えていく時間を作っていきましょう。
今回は、
メラトニンという睡眠ホルモンについて
見てきました。
夜、スマホをやめられないのは、
意志が弱いからではなく、
光が体内時計に働きかける、
自然な生理現象だということが
お分かりいただけたかと思います。
夜だけでなく朝の過ごし方も、
体内時計を支える
大切な要素です。
まずは、
朝の光を浴びることから
始めてみてください。
それでも改善が見られない場合は、
一度RE-SO-LVにご相談ください。
出典・参考(抜粋)
・Amaral, F.G., Cipolla-Neto, J. (2018) Archives of Endocrinology and Metabolism.
・Schöllhorn, I., et al. (2023) Communications Biology.
・Höhn, C., et al. (2021) Clocks & Sleep.
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